「食品は店で買う/ネット食品はコロナ特需で頭打ち」から「店舗はマイナス、ネットだけが伸びる」へ——米国の食品・飲料売上はオンライン+15.5%、実店舗▲2.8%(Circana、10/4までの4週・前年比)。増分の約3/4は宅配
情報源:https://www.grocerydive.com/news/food-beverage-sales-ecommerce-physical-stores-grocery-supermarkets/873303/
収集日:2026年11月2日
スコア:インパクト13 / 新規性10 / 注目度8 / 衝撃度14 / 根拠7 / 実現性9 = 61点
変化の核心:食品の買い物で「店舗が主、ネットは補完」という配分が崩れ、全体が縮む中で実店舗の売上だけが減り、ネット(特に宅配)が成長のほぼ全部を担う局面に入った。コロナ後に頭打ちと見られていた食品ECが、節約志向の局面でむしろ伸びている。
概要
Circanaの米国CPG需要レポートによると、2026年10月4日までの4週間の食品・飲料売上は前年同期比で、オンラインが+15.5%、実店舗が▲2.8%、全体は1%未満の減少だった。Brick Meets Clickの第3四半期集計では、オンライン食品売上が20%超伸び、食品支出に占める比率は過去最高となった。伸びの約4分の3は宅配(+30%超)で、店頭受け取りは一桁台半ばの伸びだ。Krogerはデジタル売上+20%に対し既存店売上は横ばい、Ahold Delhaize USAはEC+14%超に対し既存店+1%未満、Albertsonsはデジタル+11%に対し既存店マイナスだった。
何が新しいか
食品ECの拡大自体は既知のトレンドで、今回は量的な強まりである。ただし、全体が縮む中で実店舗だけが減り、ネットが成長のほぼ全部を担うという分岐が明示された点が新しい。同じ週にDoorDashがInstacartを約170億ドルで買収合意と報じられ、宅配基盤への集約も経路として見えている。
なぜまだ注目されていないか
業界紙や業界団体では報じられているが、月次・四半期の数字という出来事として扱われ、構造変化としての議論は少ない。Brick Meets Clickは食品EC専門のコンサルで、推進側の利害がある。Circanaの原資料は今回未取得で、数字が金額か数量かも記事に記載がなく、確認できていない。
実現性の根拠
Circanaの4週データ、Brick Meets Clickの四半期データ、Kroger・Ahold Delhaize USA・Albertsonsの開示値と、規模・継続を示す数字が複数ある。Circanaは購買データ会社、Brick Meets Clickは別の専門コンサルで、独立した源が同方向を示している。Circanaは、家計が食品支出に慎重になり、無駄の削減や価格帯・容量・PBの使い分けをしていると説明している。
構造分析
食品は鮮度を自分の目で確かめたいので店で買う、という前提が揺らいでいる。価値観の軸は「来店して選ぶ」から「届けてもらう」へ、また節約局面での「無駄を出さない」買い方へ移っている。一国の食品の買い方と、店舗網・物流・配達プラットフォームの投資配分が変わりうる。日本の食品EC化率は一桁台とされ、同規模の移行はまだ起きていないと見られるが、今回は再確認していない。
トレンド化シナリオ
宅配プラットフォームの集約で配送コストが下がる、大手が店舗を出荷拠点化する、生鮮の品質への信頼が上がるといった条件が揃えば、この傾向は続く。逆に生鮮(青果)の不振が続けば、店舗の役割の見直しが加速する。1〜3年では、Brick Meets Clickの月次データとCircanaの次回レポートで、実店舗の減少とネットの伸びの分岐が続くかが焦点になる。

