倒産しても「事業」は残る比率が上昇——帝国データバンク調べ、事業存続型倒産は2025年度167件で4年連続増、存続率35.8%(+2.9pt)、特別清算では87.4%

63
総合スコア
インパクト
12
新規性
11
未注目度
12
衝撃度
11
証拠強度
9
実現性
8

情報源:https://www.tdb.co.jp/report/economic/20261029_jigyousonzoku/
収集日:2026年11月2日
スコア:インパクト12 / 新規性11 / 注目度12 / 衝撃度11 / 根拠9 / 実現性8 = 63点

変化の核心:倒産=事業の消滅という常識が、事業は再生・承継され法人だけが退場する形へ移りつつある。

概要

帝国データバンクの2025年度調査(負債5億円以上の法的整理)によると、事業譲渡や自主再建で事業が残る「事業存続型倒産」は167件(前年度比+6)で4年連続の増加となった。存続率は35.8%(+2.9pt)で、2026年度は概ね40%以上で推移している。特別清算では83件、存続率87.4%(約+20pt)に達し、会社更生・民事再生はほぼ全件が存続型だった。業種別ではサービス業が41件で最多、旅館は11件(64.7%)、ゴルフ場は5件で100%だった。

何が新しいか

倒産統計は通常、件数や負債総額で語られる。今回の視点は、倒産後に事業が残る「比率」に着目している点が新しい。比較基準は前年度(2024年度:存続率32.9%、161件)で、存続率が着実に上がっている。

なぜまだ注目されていないか

専門の調査が中心で、倒産の質的変化として一般に語られることは少ない。倒産件数の増減を産業の健全性の指標とみる見方が根強く、再生・承継型への移行は見えにくい。TDB独自の定義に基づく集計で、官や弁護士、再生支援側の視点は未確認である。

実現性の根拠

独立した信用調査会社の集計で、本文を読了している。背景としてTDBは、事業性評価の広がりや、中小企業活性化協議会への相談が初めて1万件を超えたこと、再生スキームの普及を挙げている。製造業は存続率が+8.1pt上がり、半導体関連の好況が背景とされる。一方、建設業は21.3%にとどまる。

構造分析

事業再生、M&A、雇用維持に関わる構造変化だ。従業員や取引先は雇用・取引が残る一方、債権者や旧経営者の負担は重いとみられる(推測)。価値観としても「会社を潰さない」から「事業を残す」へ、法人よりも事業・雇用の継続を重視する方向への移行が見える。地域差もあり、中国地方の存続率は67.9%と高い。

トレンド化シナリオ

活性化協議会などの支援と、M&A市場が続けば、存続率は2026年度に40%以上で定着する可能性がある。確認すべき点は、存続後の雇用維持率と債権者の回収率だ。1〜3年では、倒産を「事業の退場」ではなく「事業の承継手続き」として扱う見方が、金融機関や取引先の対応にも広がるかが焦点になる。

情報源

https://www.tdb.co.jp/report/economic/20261029_jigyousonzoku/

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