船齢15年の中古タンカーが新造船より高い——VLCCの日額収入は10年平均の17倍、5年物は新造比49%高で過去最大の逆転

80
総合スコア
インパクト
15
新規性
16
未注目度
12
衝撃度
19
証拠強度
9
実現性
9

情報源:https://splash247.com/tankers-enter-the-death-zone/
収集日:2026年10月2日
スコア:インパクト15 / 新規性16 / 注目度12 / 衝撃度19 / 根拠9 / 実現性9 = 80点

変化の核心:船は古くなるほど安くなるという資産価格の前提が、輸送能力の不足で逆転した。原油の値段だけでなく運ぶ費用が調達コストを左右する局面に入っている。

概要

大型原油タンカー(VLCC)の中古船価格が新造船価格を上回る逆転が続いている。9月27日には船齢15年の船が1億4,010万ドルとなり、新造船の1億3,960万ドルを初めて上回った。船齢5年の船は2億760万ドルで新造船より49%高く、これまで最大だった2007年12月の21%を大きく超えた(Veson Nautical)。世界のVLCCの収入は日額約60万ドルで、10年平均の17倍に達している(Clarksons Research)。

何が新しいか

比較の基準は新造船価格と、今世紀の過去の逆転局面である。船齢5年基準の逆転は今世紀に5回しかなく、平均6か月で終わっていたが、今回は2月20日から7か月を超えて続いている。船は古くなるほど安くなるという資産価格の常識が、船齢15年の船にまで及んで崩れた点が従来との違いである。

なぜまだ注目されていないか

原油価格は毎日報じられる一方、タンカーの中古船価格や用船料は海運の専門紙でしか扱われない。報道もシンガポール拠点の海運専門紙が中心で、一般の経済メディアでは見出しになりにくい。運ぶ費用の変動は輸入側の調達コストに間接的に効くため、影響が見えにくい。

実現性の根拠

いま発注した新造船の引き渡しは2029年になるため、すぐに運賃を得られる既存船に値が付いている。価格はVeson Nautical、収入はClarksons Researchという業界で標準的なデータに基づく。一方で記事は市況の過熱が長く続かない可能性にも触れており、価格がどこで折り返すかはわからない。

構造分析

供給途絶で運賃が跳ね上がると、既存船の価値が新造船を上回るという逆転が起きる。仮説として、運賃の高騰は産油地から遠い輸入国ほど効くため、アジアの製油所の採算や燃料の小売価格に差が出る可能性がある。また高値で中古船を買った船主は市況が戻ると損失を抱え、船舶融資を出す銀行の与信に波及しうる。湾岸の積み替え拠点の移転と同じ供給途絶から出ている動きである。

トレンド化シナリオ

今後1〜3年では、逆転が過去の平均より長く続くほど、新造船の発注が集中する可能性がある。その場合、2029年以降に船腹過剰となり、造船所の受注と船価の振れが大きくなるという見方が成り立つ。逆に市況が早く反転すれば、高値で購入した船主の損失が表面化する。いずれも仮説であり、運賃の水準と発注動向を追う必要がある。

情報源

https://splash247.com/tankers-enter-the-death-zone/

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