「SNSは民主主義に良い」が高所得国で崩れる——Pew 37か国調査、「悪い」が独・日・ポーランドなどで4年で20ポイント増、アフリカ・東南アジアは7〜8割が「良い」のまま

72
総合スコア
インパクト
18
新規性
17
未注目度
5
衝撃度
9
証拠強度
14
実現性
9

情報源:https://www.pewresearch.org/global/2026/10/01/across-the-globe-people-increasingly-say-social-media-is-harming-democracy/
収集日:2026-10-03
スコア:インパクト18 / 新規性17 / 注目度5 / 衝撃度9 / 根拠14 / 実現性9 = 72点

変化の核心:「SNSは市民の発言力を高める」という前提が、高所得国の世論では4年で多数派から少数派に変わりつつあり、評価が所得水準と地域で二分された。プラットフォーム規制や広告・報道の前提となる「社会的な受容」が国によって別物になっている。

概要

Pew Research Centerは2026年2〜5月に37か国(36か国4万2,151人+米国5,511人)で、SNSが自国の民主主義に良いか悪いかを尋ねた。中央値では「良い」55%、「悪い」35%だった。前回の2022〜23年調査と比べると、「悪い」が大きく増えた国が多い。ドイツは41%から61%、日本は23%から43%、ハンガリーは22%から42%、ポーランドは15%から35%に上昇した。

何が新しいか

新しいのは、全体の中央値ではまだ肯定が上回る一方で、高所得国で評価が急速に反転している点だ。インドネシアは24%から43%、オランダは54%から70%、フランスは51%から65%へ「悪い」が増え、米国は64%だった。一方でナイジェリア80%、ケニア75%、タイ・シンガポール77%、フィリピン74%は「良い」と答えている。所得の高い国ほど否定的という分かれ方が明確になった。

なぜまだ注目されていないか

「SNSは世界共通の課題」という見方が先行し、国ごとの評価の違いは見落とされがちだ。肯定が多数の地域では、プラットフォームの問題が議論になりにくい。また、利用者数が多いことと、社会的に評価されていることは別であり、利用実態だけでは世論の変化を捉えにくい。数字の変化が4年で起きた点も、見過ごされやすい。

実現性の根拠

根拠は、同一の質問を比較可能な形で複数年にわたり実施した大規模な世論調査であることだ。米国の調査機関による調査で、数字は各国の回答者自身の評価である。中央値で79%が「偽情報で人を操りやすくなった」、68%が「政治的分断を広げた」と回答しており、否定的評価には具体的な理由づけがある。ただし世論は事実そのものではなく、認識の反映であることには留意が必要だ。

構造分析

構造的には、プラットフォーム規制や広告、報道の前提となる「社会的な受容」が国によって異なる状態になっている。高所得国では規制強化への支持が得やすくなる一方、肯定的な地域では利用拡大と政治的な動員が続きやすい。事業者にとっては、国ごとに異なる期待と規制に対応する負担が増す。メディアや広告の戦略も、地域別の世論を踏まえた設計が求められる。

トレンド化シナリオ

今後1〜3年は、否定的な世論の強い国で、未成年者保護や偽情報対策などの規制が進みやすくなると考えられる。その場合、プラットフォームの運営方針は地域ごとに分化していく可能性がある。逆に、肯定的な地域では利用がさらに広がり、評価の差が拡大するシナリオもある。次回調査で「悪い」がどこまで広がるかが、トレンド化の確認点となる。

情報源

https://www.pewresearch.org/global/2026/10/01/across-the-globe-people-increasingly-say-social-media-is-harming-democracy/

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