世界のクリーン技術投資が2026年上半期に前年同期比17%減——中国が1四半期で1,330億ドル減、欧州とインドは増加

78
総合スコア
インパクト
24
新規性
18
衝撃度
9
証拠強度
13
実現性
14

情報源:https://rhg.com/research/clean-investment-monitor-global-h1-2026/
収集日:2026年10月10日
スコア:インパクト24 / 新規性18 / 衝撃度9 / 証拠強度13 / 実現性14 = 78点

変化の核心:「燃料高でクリーン投資が加速する」という見立てに対し、実際の投資額は最大の投資国である中国の制度変更で減り、増加の担い手が中国から欧州・インドへ移り始めた。

概要

米調査会社Rhodium Groupの集計(9/10公表)では、2026年上半期の世界のクリーン技術投資は前年同期を17%下回り、2024年上半期とほぼ同じ水準になった。中国は2025年10〜12月期から2026年1〜3月期に1,330億ドル(49%)減り、世界に占める割合は52%から4〜6月期に39%へ下がった。電力分野の投資は上半期3,205億ドルで、前年同期(4,415億ドル)を約27%下回った。太陽光は前年比33%減だった。

何が新しいか

比較の基準は前年同期と直前の四半期である。4〜6月期は3,954億ドルで前期比5%増だが、2025年10〜12月期を25%下回る。一方、4〜6月期の欧州は前年同期比9%増、インドは31%増で、投資の担い手が移り始めていることが新しい点である。分野別では、風力10%減、系統用蓄電16%減、原子力8%増、中・大型EV(主に中国)は76%増と、動きが分かれた。

なぜまだ注目されていないか

燃料不足と価格高騰の報道が続くなかでは、再エネ導入量の伸びは報じられても、投資額の減少は四半期の集計資料でしか見えない。この記事は、エネルギー分野で登録の多い供給不足・価格高騰の流れに対する逆方向のデータとして見つけたもので、公表は約1か月前である。「燃料高が再エネ投資を押し上げる」という直感と逆の結果であることも、注目されにくい理由と考えられる。

実現性の根拠

数字は米国の調査会社Rhodium Groupの集計に基づく。中国の公式統計による確認はできていない。同社は要因として、中国で再エネ電力が市場価格に移行したことによる駆け込み導入の反動、EV購入税免除の段階的廃止、太陽光・電池の過剰設備を挙げる。燃料価格の高騰は再エネと電化への関心を高めたが、投資額への影響は今のところ地域限定とされる。上半期の世界合計額そのものは報告書に明記されていない。

構造分析

製造設備への投資は2023年後半から減少が続き、中国の比率はピーク時の71%超から3分の1未満へ下がった。太陽光製造への投資は2023年10〜12月期のピークを83%下回り、インドの比率が48%に上がった。以下は仮説だが、中国メーカーの設備投資減は製造装置・素材の需要に波及し、投資の担い手が欧州・インドへ移ることで、機器の調達先と価格形成も変わりうる。

トレンド化シナリオ

今後1〜3年は、燃料高の影響が後の四半期に投資増として表れるかどうかが、次の集計で確かめられる。中国の制度変更の影響が一巡すれば、投資が再び伸びる可能性がある。一方、過剰設備が解消されないままなら、価格と利幅の低下で投資が抑えられた状態が続く。欧州とインドの伸びが世界全体の減少を補えるかが、クリーン投資の地図を塗り替える鍵になる。

情報源

https://rhg.com/research/clean-investment-monitor-global-h1-2026/

変革シグナル [毎日配信中]

メルマガ登録

必ずプライバシーポリシーを
ご確認の上、ご登録ください

\ 最新情報をチェック /