米企業のAI支出に「横ばい」の兆し——トークン支出は8〜9月ほぼ伸びず、利用企業の比率は55.9%で月+0.6ポイントの小幅増、支出の約8割は上位1%の企業に集中(Ramp)

63
総合スコア
インパクト
18
新規性
14
未注目度
0
衝撃度
8
証拠強度
10
実現性
13

情報源:https://ramp.com/data/ai-index-oct-2026
収集日:2026年10月16日
スコア:インパクト18 / 新規性14 / 注目度0 / 衝撃度8 / 根拠10 / 実現性13 = 63点

変化の核心:企業のAI支出は「利用企業の広がり」と「1社あたりの使用量の伸び」の両方が鈍り始め、成長が一部の大企業の使い方に依存する構造が見えてきた。

概要

法人カード・経費管理のRampが自社顧客の支出データから作る10月のAI指数によると、9月にAIの有料サービスを使う企業は55.9%で、前月比+0.62ポイント(前月は+0.40)の小幅増だった。トークン(API利用量)への支出は8月・9月とも「ほぼ伸びなし」で、支出上位1%の企業の従業員1人あたり月額は9,568ドルと、7月の最高値から3.1%減った。OpenAI・Anthropic向け支出の約80%は上位1%の企業によるものである。

何が新しいか

前月までの急増ペースと比べて、利用企業の広がりと使用量の伸びの両方が鈍った点が新しい。同社はこのシリーズを「AIの前提に入った亀裂」と題しており、これは米国の決済データ企業の見方である。ベンダー別ではAnthropicが43.8%(+0.25)、OpenAIが40.6%(+1.12)だった。

なぜまだ注目されていないか

AI関連の報道は、投資額や新モデルの「増加」に集中し、利用側の伸び鈍化は小さな数字で出るため見落とされやすい。また、1人あたり支出は前月比+11.7%との記載もあり、指標によって方向が分かれることも、評価を難しくしている。対象はRampの顧客企業で、米国企業全体ではない点にも注意が必要である。

実現性の根拠

根拠は、Rampの顧客の支出データという実データだが、顧客層に偏りがある。逆方向の根拠として、総支出は10月初めに8月のピークを1.5%上回り、過去最高を更新している。このため、一時的な踊り場の可能性も残り、実現性は中程度と評価する。

構造分析

利用側の伸びが鈍れば、データセンター・半導体・電力の需要見通しの前提が修正される経路がある(仮説)。支出が少数の大企業に集中するほど、AIベンダーの収益は特定顧客の予算判断に左右されやすくなる。一方で、総支出は過去最高を更新しており、成長が止まったと断定はできない。

トレンド化シナリオ

今後1〜3年のシナリオとして、第一に、踊り場が一時的で、再び支出が拡大する展開が考えられる。第二に、利用の広がりが頭打ちとなり、成長が一部の大企業の使い方に依存し続ける展開もありうる。第三に、費用対効果の検証が進み、支出が用途ごとに選別される可能性がある(いずれも見通しで、要追跡)。

情報源

https://ramp.com/data/ai-index-oct-2026

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