普通のご飯が消えていく ー日本の食卓に迫る静かな危機

物価がじわじわ上がり続けて、「昔は当たり前に食べられたご飯」が、だんだん手の届かないものになっていく。
少しずつ変わっているので、気づいたときには「手遅れ」なんてことにはなりたくない。
そのためにも
まずは、今の日本で起きていることを、客観的な事実情報の整理と、海外の食環境、サプリやローカルフード高騰まで含めて整理していきます。
1. なぜ今、「普通の食事」の行方を考える必要があるのか
まず、日本の家計の食の負担は、ここ数年で目に見えて重くなっています。
- 2024年、日本のエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)は約42年ぶりの高水準に達しました。(Reuters)
- 実質賃金は伸び悩む一方で、食料品は光熱費・物流費・人件費などのコスト転嫁により、値上げが何度も繰り返されている状況です。(Reuters)
帝国データバンクの調査では、2025年10月だけで3,024品目、11月もそれに近い規模で食品の値上げが予定されており、2025年通年では2万品目前後の食品が値上げ対象とされています。(Japan Today)
これは単に「物価が上がった」という話ではなく、
- 「量を減らす」
- 「質を落とす」
- 「回数を減らす」
という形で、私たちの日々の食事そのものを変えてしまう現象です。
2. 日本の食卓で今、実際に起きていること
2-1. 食費の重さと普通の食事の崩れ
さきほどのロイターの記事には、こんな描写が出てきます。(Reuters)
- キャベツ1玉が1,000円近くに高騰(東京都内)
- お好み焼きのような「庶民的なごちそう」ですら、簡単には作れない
- 米価も高止まりし、「ごはんたっぷり」が当たり前ではなくなる
「腹一杯ごはんと野菜を食べる」こと自体が、安定して維持しにくくなっているわけです。
2-2. 子どもの食事に出ているひずみ
特に深刻なのが、子どもの食事です。
- セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの調査では、低所得世帯の9割以上が「食費が足りず、家族の食事に困難を感じる」と回答しました。(Save the Children International)
- 学校給食がない夏休みには、1日の食事が2回以下の子どもの割合が、学期中の2.5倍に増え、32.2%に達するとの調査も出ています。(The Japan Times)
つまり、
「給食がある日だけはまともな1食が保障されているが、休み期間はそれが崩れる」
という構図が、すでに日本で現実化しているということです。
2-3. ローカルフード(国産)が高くなっている理由
「輸入品が高いのはわかるとして、なぜ地元の米や野菜、魚までこんなに高いのか?」
ここには、いくつかの要因が重なっています。
(1) 肥料・飼料など生産資材の高騰
農林水産省の資料によると、2023年2月時点で肥料価格は前年比40%増、飼料は20%増と、農家のコストを直撃する水準まで上がりました。(農林水産省)
世界的なエネルギー価格高騰や原材料価格、為替などが影響していて、国産農産物の原価が押し上げられています。
(2) 気候変動と高齢化が量と質を削る
- 2024年には、日本の米が猛暑や台風などの影響で不足・高騰し、「店頭からコメが消えた」「価格が跳ね上がった」という報道も出ました。(Le Monde.fr)
- 高温で一等米の比率が落ち、品質低下も問題になっています。
- そこに、農業従事者の高齢化・人手不足が重なり、作りたくても作れない/収量を維持できない構造になっています。
(3) 小規模・中山間地ゆえの効率の悪さ
アメリカやオランダのように巨大な平地のメガファームで効率化するのが難しいのが日本です。
- 田畑が細かく分かれている
- 傾斜地が多い
- 小規模農家が中心
という条件では、最新機械をフルに入れても、1kgあたりのコストはどうしても高くなりやすい。
(4) 安全基準・トレーサビリティのコスト
国産品は、
- 農薬・残留基準
- 放射性物質検査
- トレーサビリティ(生産履歴管理)
などのコストも抱えています。これは安全の裏返しですが、そのぶん「安さだけで輸入品と勝負する」のがほぼ不可能になっています。
3. 海外の「今」は、日本の10〜20年後の姿かもしれない
次に、海外で何が起きているかをざっと見てみます。
そこには、日本の未来の見本のような風景が広がっています。
3-1. アメリカ:カロリーの半分超が「超加工食品」
アメリカのCDC(疾病対策センター)の最新データによると、
- 2021〜2023年の間に、アメリカ人(1歳以上)が摂る総カロリーの55%が「超加工食品(UPF)」由来でした。(疾病予防管理センター)
ハンバーガー、ピザ、スナック、甘い飲料、冷凍食品など、工業的に加工された食品が主食化しているイメージです。
最近の多国籍コホート研究では、
- カロリーに占めるUPF比率が10%増えるごとに、早期死亡リスクが3%上昇するという結果も報告されています。(Verywell Health)
カロリーは十分、むしろ過剰。
しかし、ビタミン・ミネラル・食物繊維・多様な栄養素は不足し、
「太っているのに栄養失調」
という状態が、社会規模で広がっているわけです。
3-2. イギリス:「健康な食ほど2倍高い」という現実
イギリスでは、
- フード・ファウンデーションなどの報告書が、「健康的な食品は、不健康な食品の2倍以上高い(1kcalあたり)」と指摘しています。(フードファウンデーション)
その結果、何が起きているかというと…
- 親の約48%が「子どもに食べさせるために自分の食事を抜いたことがある」(ホームスタート)
という調査が出るほど、
「親が食事をスキップして子どもに回す」
という行動が広がっています。
イギリスでは Heating or Eating(暖房か食事か) という言葉が象徴的に使われます。
冬に暖房をつけるか、食事をちゃんととるか――どちらかを諦めざるを得ない家庭が存在するということです。
3-3. 東南アジア・中所得国:「お腹は満たせるが、健康的な食事は高すぎる」
日本にとって距離も文化も近い、東南アジアの国々でも、別の形で「普通の食事」が揺らいでいます。
ベトナム:ガイドライン通りに食べようとすると「低所得層の7割には無理」
ベトナムでは、2016〜2020年のデータから、食事ガイドライン(FBDG)に沿った「最も安い健康的な食事(CoHD)」のコストが計算されています。(Public Health Nutrition)
- 1人1日あたりの最安の健康的な食事のコストは、平均で3.08国際ドル(2017年PPP)。
- これは高所得・中所得層には負担可能ですが、
- 低所得世帯の約70%にとっては「負担不可能」であり、ガイドライン通りの食事をしようとすると所得の最大70%を食費に充てる必要があるとされています。(Public Health Nutrition)
つまり、
「米や麺でお腹を満たすことはできても、
肉・魚・野菜・果物・乳製品をバランスよく食べるのは、貧しい世帯にはほぼ不可能」
という構図になっています。
マレーシア:都市のB40層の8割近くが食料不安
マレーシアでも、都市部の低所得層(いわゆるB40層)を対象にした調査で、深刻な数字が出ています。
- サラワク州クチンの都市B40層を対象にした研究では、回答者の79.1%が「食料不安」状態だったと報告されています。(Thai Journal of Public Health)
- クアラルンプールの都市貧困層の10代を対象にした別の調査でも、81.4%が「世帯の食料不安」を経験していました。(Nutrients(PMC))
- UNICEF関連の分析では、マレーシアの5歳未満児の21.9%が発育阻害(stunting)であり、首都圏の低所得世帯では約9割が食品価格上昇の中で食事量を減らすなど極端な選択を迫られていると指摘されています。(The Star)
ここでも、
「量だけならなんとか確保できるが、
子どもにちゃんとした食事を毎日用意するには、収入が足りない」
という現実が浮かび上がります。
フィリピン:米価の高騰で「国家的な食料緊急事態」
米に強く依存するフィリピンでは、主食そのものの価格ショックが、国を揺らしています。
- 2025年2月3日、フィリピン政府(農業省)は、国内小売米価格の異常な高騰を理由に「米に関する食料安全保障の緊急事態」を宣言しました。(USDA GAINレポート; DA)
- 2024年には、米価格の前年同月比上昇率が一時24.4%(15年ぶりの高さ)に達したとも報じられています。(Reuters)
米という「絶対に削れない主食」がここまで高くなると、
低所得層はもちろん、中間層にとっても家計の根本が揺らぐことになります。
3-4. 世界の子どもたちの「普通のご飯」が崩れている
セーブ・ザ・チルドレンの国際分析では、
- 世界の子どもの約48%(約11.2億人)が、「栄養バランスの取れた食事を買う余裕がない」と推計されています。(Save the Children International)
日本は今のところ、その最前線ではありませんが、
「給食がないと、1日に2食しか食べられない子どもが増えている」現状を見ると、
同じ坂道をゆっくり下り始めているとも言えます。
4. この流れが続くと、日本で起きうること
海外の状況を踏まえると、
「今の物価高と所得停滞が続いた場合、日本の食卓にどんな変化が起きるか?」
は、ある程度シナリオとして描けます。
4-1. スキップ型:誰かが食事を抜いて支える社会
- 親が自分の食事回数・量を減らして子どもに回す
- 大学生・単身者が、一日2食→1.5食のような節食でしのぐ
すでに日本でも、夏休みなど給食のない時期に子どもの食事回数が減るデータが出ている以上、(The Japan Times)
この「スキップ型」は、一部では現実化しています。
イギリスで見られる「親が食事を抜いて子どもに回す」行動は、(ホームスタート)
日本にとっても、決して他人事ではありません。
4-2. 置き換え型:生鮮食品から超加工食品へ
- 肉・魚・野菜・果物の頻度を減らす
- 代わりに、カップ麺・菓子パン・スナック・冷凍ジャンクなどでお腹を満たす
アメリカのように、
「カロリーの半分以上が超加工食品」という状況に近づけば、(疾病予防管理センター)
- 肥満
- 糖尿病
- 心疾患
- メンタル不調
が増え、医療費・生産性・クオリティ・オブ・ライフに長期的なダメージが出ます。
ベトナムやマレーシアのように、「健康的な食事」が低所得層には高すぎる状況になると、(Public Health Nutrition; Thai Journal of Public Health)
日本でも、「野菜と魚を減らして、安い炭水化物+加工食品」という方向に流れやすくなります。
4-3. 二重苦型:肥満+栄養不足が同時に進む
これはすでに海外で観察されているパターンですが、
- カロリーは超加工食品で過剰
- しかし、鉄・亜鉛・ビタミンD・カルシウム・食物繊維などは慢性的に不足
という状態が、日本でも広がるリスクがあります。
見た目では「痩せていないので問題ない」と誤解されがちですが、
実は脳・心身のコンディションがじわじわ蝕まれているタイプの問題です。
4-4. トレードオフ型:教育・住宅・医療との二択が増える
イギリスでの「暖房か食事か」という構図は、
日本では
- 「教育費(塾・大学)か食費か」
- 「家賃・ローンか食費か」
のような形で現れる可能性があります。
どちらも削りづらい支出なので、結局、「食の質と量」から削られやすいのが現実です。
フィリピンのように国全体で「米の食料緊急事態」を宣言せざるを得ない状況は、(USDA GAINレポート; Reuters)
日本にとっても、「主食やローカルフードの価格ショック」が家計と社会を直撃しうることを示す他山の石と言えます。
4-5. 「アジアの隣国」が映す、日本の中所得国の罠
東南アジアの事例は、
日本にとって「遠い欧米」よりも、むしろリアルなアナロジーかもしれません。
- ベトナム:低所得層の約7割にとって、健康的な食事は「所得の大半を食費に割かないと届かない」ものになりつつある。(Public Health Nutrition)
- マレーシア:都市部B40層の約8割が食料不安で、子どもの発育阻害率も高く、低所得世帯の多くが「食事量を減らす」という選択に追い込まれている。(Thai Journal of Public Health; The Star; Nutrients(PMC))
- フィリピン:米価格ショックで「食料安全保障の緊急事態」を宣言し、国家として主食価格を押さえ込もうとしている。(USDA GAINレポート; Reuters)
日本がこのまま、実質賃金の伸び悩みと食料コストの上昇を放置すれば、
「お腹はなんとか満たせる。でも、健康的で豊かな食事は一部の層にしか届かない」
という、中所得国の罠にゆっくり近づいていく可能性があります。
5. サプリ依存は「救い」か、「もう一つの罠」か
食事が弱り始めると、次に出てくるのがサプリ(健康食品)への依存です。
5-1. 日本のサプリ・健康食品市場はすでに巨大
調査会社のデータでは、
- 日本の「健康食品(広義のサプリを含む)」市場は、2023年度で9,000億円超と推計されています。(ヤノリサーチ)
- そのうち、いわゆる「サプリメント」単体の市場だけでも、2,000億円規模へ拡大しているという推計もあります。(The Japan Times)
高齢化・健康志向・美容ニーズを背景に、
- マルチビタミン
- DHA/EPA
- プロテイン
- コラーゲン
- 機能性表示食品
などへの支出は、今後も伸びると予測されています。(グランドビューリサーチ)
5-2. サプリの「良い面」
サプリ自体を一括りに悪者扱いするのも、現実的ではありません。
- 鉄欠乏やビタミンD不足など、日本人に多い欠乏症を補う
- 高齢者や食が細い人の、どうしても足りないところを埋める
- 病院に行くほどではない不調の改善
という点では、「最低限のセーフティネット」になり得ます。
5-3. しかし、「食事の代わり」にはならない
一方で、研究やガイドラインを見ていくと、
- 一部のビタミンや抗酸化サプリは、死亡率や心血管イベントを下げない、むしろ高用量でリスクを上げるという報告も複数あります。(Verywell Health)
- サプリでは、食品全体が持つ
- 食物繊維
- 多様なファイトケミカル
- マトリックス(食品としての構造)
を完全には再現できません。
さらに日本では、
- 2024年に、紅麹サプリが腎障害・死亡例と関連して大規模リコールが行われ、
- 死亡例は最大80人、入院は500人超、相談は94,000件以上と報じられています。(ガーディアン)
という事件もありました。
「食事が貧しいからサプリで埋める」
という構図が進みすぎると、
- 本質的な食環境の改善が遅れる
- サプリ市場の玉石混交の中で事故リスクが高まる
という、別種のリスクが立ち上がります。
6. なぜローカルフードが高くなることが、こんなに重い問題なのか
ローカルフード(国産の米・野菜・魚など)が高くなることは、単なる「ちょっと高い贅沢品が増えた」という話で終わりません。
6-1. 食料安全保障の観点
肥料・燃料・為替・気候変動・高齢化の影響で、国産農水産物の生産コストとリスクは上がり続けています。(農林水産省)
このまま、
- 消費者が高値に耐えきれず国産離れ
- 農家が採算割れで廃業
- 国内の供給能力が縮小
- 結果的に輸入依存がさらに高まる
という流れが進めば、
世界的なショック(戦争・気象・物流混乱)が起きたとき、日本の食の安全度は一気に落ちます。
東南アジアで米価格ショックに揺れるフィリピンの例は、(USDA GAINレポート; Reuters)
「主食やローカルフードを国内である程度守れない国が、どれほど不安定になるか」を見せてくれています。
6-2. 地域文化・食文化の喪失
ローカルフードは、単なる栄養源ではなく、
- その土地ならではの味
- 祭り・行事食
- 家庭料理の記憶
と結びついています。
米やミカン、サバ、干物、季節の野菜が、
「子ども時代の普通の味」から「食べたことのない高級品」に変わってしまうと、
食文化そのものが、次の世代に継承されない
という問題が出てきます。
ベトナムやマレーシアでも、都市化や価格上昇の中で「伝統的な家庭料理」が消えつつあることが指摘されており、(Public Health Nutrition; Nutrients(PMC))
これは日本にもそのまま跳ね返ってくるテーマです。
7. まとめ:日本の「普通の食事」をどう守るか
ここまでの話を、いくつかのポイントに整理します。
- 日本ではすでに、食費の負担が40年ぶりの重さになっている。
食料品の値上げは止まっておらず、特に低所得層・子育て世帯を中心に、「回数・量・質」を削る行動が表に出てきている。(Reuters) - ローカルフード(国産)が高くなるのは、贅沢化というより構造問題。
肥料・燃料の高騰、気候変動、農家の高齢化、小規模農地構造、安全基準などが組み合わさり、コストが真っ直ぐ価格に乗ってしまう状況になっている。(農林水産省) - 海外では、「食事を削る」「超加工に頼る」「健康的な食が高すぎる」という未来がすでに現在形。
- アメリカではカロリーの55%が超加工食品。(疾病予防管理センター)
- イギリスでは健康的な食品が不健康な食品の2倍以上高く、親の約半数が子どものために自分の食事を抜いたと答える調査もある。(フードファウンデーション; ホームスタート)
- ベトナムでは、低所得層の約7割にとって「ガイドライン通りの健康的な食事」が所得の大半を食費に使わないと届かない。(Public Health Nutrition)
- マレーシアの都市部B40層の約8割は食料不安状態で、子どもの発育阻害・子ども飢餓の指標も高い。(Thai Journal of Public Health; The Star; Nutrients(PMC))
- フィリピンでは、米価高騰で「食料安全保障の緊急事態」が宣言されるほど、主食価格が家計を揺らしている。(USDA GAINレポート; Reuters)
- 世界全体では、約11.2億人の子どもが、バランスの取れた食事を買う余裕がない。(Save the Children International)
- サプリ依存は、食の貧困を「隠してしまう」危険もある。
サプリ市場は拡大しており、不足栄養を補う意味で役立つ一方、
紅麹サプリのような重大な健康被害事例も起きている。(ヤノリサーチ; ガーディアン)
「食事の改善」ではなく「サプリでごまかす」方向に行きすぎると、
本質的な問題(低所得・食環境・教育)が見えにくくなる。 - この状況をどうにかするには、「個人の努力」だけでは足りない。
- 個人レベルでは、できる範囲で超加工食品を減らし、米・豆・卵・冷凍野菜などコスパのいい実食材を軸にする。
- しかし、低所得世帯や子どもを守るには、
- 給食の質と量を守る/無償化
- 子ども食堂・フードパントリー・食費バウチャーなどの制度化
- 生鮮食品への税制優遇・ポイント還元
といった政策・地域・ビジネスの側の設計が不可欠です。(Food Standards Agency)
東南アジアの中所得国が直面している
「お腹はなんとか満たせるけれど、
真に健康的で豊かな食事は、一部にしか届かない」
という現実は、
悲しいかな「このままだと近づいてしまう未来」です。
しかし、日本が「今ならまだ避けられる未来」ではないでしょうか?
最後に
「昔と比べて物価が上がった」という話は、どうしても抽象的になりがちです。
でも実際には、
- 「給食がないと、子どもが一日2食に減る」
- 「お好み焼きが贅沢になり、キャベツ1玉が時給と同じ値段になる」(Reuters)
という、かなり具体的な変化として、私たちの食卓に表れてきています。
この流れを放置すれば、
海外で起きている「超加工依存・親の食事スキップ・健康格差」、
そして東南アジアで見られる「健康的な食事は高くて続けられない」という未来に、ゆっくり近づいていきます。
逆に言えば、今はまだ、
- 給食
- ローカルフード
- サプリ(の賢い使い方)
- データと政策
を組み合わせて、「普通の食事が普通に続く社会」をデザインし直せるタイミングでもあります。
この記事はあくまで「現状とリスクの整理」までにとどめましたが、
次は、これをベースに、
- 子どもを守る食のセーフティネット
- ローカルフードを高くしないで守る仕組み
- サプリを賢く使うガイドライン
など、「じゃあどうするか?」を社会全体として考えなければならないことを伝えて記事を終わります。
参照情報一覧
- Homegrown veg, cheap substitutes: Japanese get creative to fight soaring food prices | Reuters
https://www.reuters.com/world/asia-pacific/homegrown-veg-cheap-substitutes-japanese-get-creative-fight-soaring-food-prices-2025-01-31/ - Japan's food inflation to intensify in July, survey shows | Reuters
https://www.reuters.com/markets/asia/japans-food-inflation-intensify-july-survey-shows-2025-06-30/ - Prices of 1422 food items to rise in September | Japan Today
https://japantoday.com/category/business/prices-of-1-422-food-items-to-rise-in-september - JAPAN: More than 90% of disadvantaged families struggling to feed their children – Save the Children poll | Save the Children International
https://www.savethechildren.net/news/japan-more-90-disadvantaged-families-struggling-feed-their-children-save-children-poll - More kids going hungry during school holidays as food costs soar | The Japan Times
https://www.japantimes.co.jp/news/2025/07/16/japan/lunch-summer-survey/ - FY2022 Annual Report (農林水産省 英語版資料)
https://www.maff.go.jp/e/data/publish/attach/pdf/index-225.pdf - Japan's rice shortage: the result of global warming and overtourism | Le Monde
https://www.lemonde.fr/en/environment/article/2024/08/29/japan-s-rice-shortage-the-result-of-global-warming-and-overtourism_6723528_114.html - Products – Data Briefs – Number 536 – August 2025 (Ultra-processed food consumption in the United States) | CDC
https://www.cdc.gov/nchs/products/databriefs/db536.htm - Every Bite of Ultra-Processed Foods May Increase Risk of Early Death, Study Says | Verywell Health
https://www.verywellhealth.com/ultraprocessed-food-will-increase-your-chance-of-an-early-death-11725319 - Dietary inequalities worsened in last two years as healthier foods grew more expensive | The Food Foundation (UK)
https://foodfoundation.org.uk/press-release/dietary-inequalities-worsened-last-two-years-healthier-foods-grew-more-expensive - Nearly half of UK parents skip meals to feed their children, new study finds | Home-Start UK
https://www.home-start.org.uk/news/nearly-half-of-uk-parents-skip-meals-to-feed-their-children-new-study-finds - Healthy diet now unaffordable for nearly half of world’s children – Save the Children analysis | Save the Children International
https://www.savethechildren.net/news/healthy-diet-now-unaffordable-nearly-half-worlds-children-save-children-analysis - Health Food Market Declined by 1.2% to 894,510 Million Yen in FY2023 | 矢野経済研究所 (Yano Research)
https://www.yanoresearch.com/press/press.php/3760 - Supplements market in Japan showing steady growth | The Japan Times
https://www.japantimes.co.jp/business/2024/03/29/supplement-market-japan/ - Japan Dietary Supplements Market Size | Industry Report | Grand View Research
https://www.grandviewresearch.com/industry-analysis/japan-dietary-supplements-market-report - Japan dietary supplement recalled amid investigation into two deaths and 100 hospitalisations | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2024/mar/27/japan-dietary-supplement-recall-beni-koji-red-yeast-rice-cholesterol-kobayashi-pharmaceutical-investigation-kidney-disease - Our Food 2022: The nation’s plate | Food Standards Agency (UK)
https://www.food.gov.uk/our-work/our-food-2022-the-nations-plate - Cost and affordability of healthy diets in Vietnam | Public Health Nutrition (Cambridge Core)
https://www.cambridge.org/core/journals/public-health-nutrition/article/cost-and-affordability-of-healthy-diets-in-vietnam/ECEC10266E46EABE4458CEECDBE6C3AD - Factors Associated with Food Insecurity among the Urban B40 Group in Kuching, Sarawak, Malaysia | Thai Journal of Public Health
https://he02.tci-thaijo.org/index.php/jph/article/view/264261 - Reducing child food poverty | The Star (Malaysia)
https://www.thestar.com.my/news/education/2024/08/25/reducing-child-food-poverty - Food security and diet quality among urban poor adolescents in Kuala Lumpur, Malaysia | Nutrients (PMC)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10042706/ - Food Security Emergency on Rice Declared in the Philippines | USDA GAIN Report (PDF)
https://apps.fas.usda.gov/newgainapi/api/Report/DownloadReportByFileName?fileName=Food+Security+Emergency+on+Rice+Declared+in+the+Philippines+_Manila_Philippines_RP2025-0008.pdf


